年金だけでは生活に不安な方など投資信託を生活費の足しにしようと考える場合、まず毎月分配型の投資信託が選択肢にあがることでしょう。
ネットで検索すると毎月分配型の投資信託を勧めるような記事は見当たりません。
その理由は主に

①収益を再投資したほうが複利効果が得られるので分配すると損していることになる
②分配すると税金をとられるので更に損していることになる
③元本を取り崩して分配すると単に自分のお金を分配して貰っているだけで意味がない

①については確かにその通りですが、これは長期投資を前提にした考え方でもあります。投資しているものが上昇して利益が生じても換金せずに長期間保有しないと複利効果の効果があまり得られません。
毎年5%のリターン(上昇)がある投資信託を100万円分購入した場合その5%を(換金)分配すると20年で100万円もらえますが勿論元本はそのままです。
一方その5%を再投資した場合20年後には265万円ほどになり、65万円も余計に収益があがることになります。
元本が多ければさらにその差は開くことになり複利効果は無視できないことが分かります。
もっとも、60代から投資信託を購入し始めた場合20年後に3倍になってもあまり意味がなく、毎年、あるいは毎月収益をもらえたほうがいい、という考え方も分かります。

②の税金については確かに複利効果が得られない上にさらに税金がとられて分配金が目減りしてしまうことになります。ただ、この点はNISAで運用するとある程度は解消されるでしょう。

③毎月定額の分配金を出す投資信託は収益が上がっていなくても分配金を出し続けますから確かにタコが自分の足を食うタコ足配当になって自分の資産を食いつぶしているだけになるので全く意味のないことをしていることになります。
ただ、タコ足配当をやっている投資信託ばかりではありませんので収益が上がった分を分配している投資信託を選択して購入すればこの点も解消されることになります。

このように見てくると毎月分配型の投資信託を選択肢に入れるのもおかしな話ではないことが理解できます。
しかしながら毎月分配型の投資信託にしろ再投資型にしろ常に収益を上げ続けることが必須になります。
基本的には株やリートが上げ続けることが必要で常に価格下落のリスクがつきまといます。
この点アメリカダウを買えば一時的に下落しても長期的にみれば必ず上昇していますから、アメリカダウを買って放置していればいいという話しはこれまでの統計が物語っており、投資の教科書では必ず触れられている常識でもあります。

ではなぜ人は長期で投資しないのか?それは上記のような理由もあればアメリカダウが上げ続けているのは過去の事でこれから先のことは分からない(日経平均はバブルの高値を超えていない)とか、様々な理由があると思います。

いずれにしても日々の生活の足しにしたいと考える方は将来の大きな利益よりも日々の細かい利益を得たいと考えるでしょうからその方法の一手段として毎月分配型の投資信託ということになるのでしょう。
ただその投資信託の元本そのものが下落してしまっては本末転倒ですからそのリスクをヘッジしたいところでしょうが、その投資信託下がれば上がるようなリスクヘッジの手段はなかなか見つかりません。

大きく利益を得るのではなく小さな利益をコツコツ積み上げ、かつリスクがある程度ヘッジできる方法といえばオプション取引があげられるでしょう。

このことは毎月分配型の投資信託の運用手法としてコールオプションを売り、先物を買うカバードコールが多用されていることからも分かります。
残存期間1月程度のコール売りによりオプションのプレミアムを毎月貰いそれを分配金に充て、そのオプション売りのリスクを先物買いでデルタヘッジしているものと推察されます。
しかしながら毎月分配型投資信託においては他の手法(通貨の売買)なども組み合わせて運用されていることもありデルタヘッジではカバーできない他の要素が多く、リスクヘッジがうまくなされているとはいえないようです。

運用をオプション取引に限定すれば、リスクを出来るだけデルタヘッジしつつ細かく利益を確定していくことにより毎月分配型投資信託よりも効率的な運用ができるでしょう。